ASUS Chromebox CN60 検討メモ

動機

最近 ASUS Chromebox CN60 の中古品が安く放出されている。CN60 は古い Chrome OS マシンであり,サポート期限切れにより Chrome OS アップデートができなくなっているが,通常の GNU/Linux に入れ替えて使うこともできる。

※ Chrome OS プレインストールマシンでは,スマートフォンのようにハードウェアのサポート期間が設定されており,それを超えると OS のアップデートができなくなる。Chromebox CN60 は 2012 年 5 月に発売し,2019 年 9 月にサポート期間が終了した。

ハードウェア

– CPU: Haswell Celeron 2955U. 1.4GHz, dual-core, 2MB Cache OR 1.7 GHz Core i3-4010U, quad-core
– RAM: 2GB (celeron) or 4GB (i3) DDR3 SO-DIMM
– Display: None
– Disk: 16GB SSD (NGFF M.2 connector) Type 2242 SATA
– I/O:
– HDMI port
– DisplayPort++
– 4 x USB 3.0
– SD slot (SDXC compatible)
– Headphone/mic combo jack
– Connectivity:
– WiFi: 802.11 a/b/g/n
– USB ports can handle some Ethernet dongles
– Ethernet 100 Mbps?
– Servo header: Standard 2×25 / AXK750347G
– Kensington Security Slot

以上は Chromium OS Wiki からの転載であるが,補足が必要な部分については太字で記した。

分解を前提としてはいないが,RAM・SSD は交換可能である。RAM は通常電圧版で 2 スロットあるので小容量のモジュールを活用できる。SSD は Type 2242 で,普通に余っているようなものではないが,容易に入手可能ではある。

Celeron 2995U は Haswell 世代・TDP 15W の CPU であり,iGPU は下位の Intel HD である。2955U の Passmark スコアは 716 となっており,i5-4200U の 2169 と比べると 3 分の 1 程度となっている。なお i5-6300U は 3267,Ryzen 5 3500U は 7167 となっている。

分解報告は多数ある。以下に一例をあげる。

タブレット系ではなく一般的なラップトップと同様のコストがかかった作りになっているようであり,Wifi も PCIe 接続である。これにより,ドライバの問題に遭遇しにくいことが期待できる。SUNON の冷却ファンが確認できる。

AC アダプタは 19V 3.42A で,一般的な EIAJ プラグのものと思われるが,詳細は不明である。

ファームウェア

BIOS として SeaBIOS が導入されているため,Chrome OS 以外の OS を導入することもできる。

SeaBIOS の機能は最低限であり,互換性の問題が発生することも考えられる。U-boot と比べてもドキュメントは少ない。もっとも,Chrome OS デバイスとして広く利用されているため,GNU/Linux を実際にインストールした例は非常に多い。少なくとも Ubuntu などであれば問題なくインストール可能であると考えられる。

結論

同スペックの小型デスクトップ PC と同じようなものと考えてよいと思うが,スペックが低すぎ,一方でファンレスでもないので,どの程度遊べるかは微妙なところである。

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