Aquos sense4 lite を買った

しばらく使う予定のメインスマートフォンとして Aquos sense4 lite を購入したのでメモ。

Aquos sense4 lite を選んだ理由・気に入っている点

手に馴染むコンパクトなアルミ筐体

そもそも発端は Aquos sense2 を安く手に入れたことで,なんというか,手のひらに収まるすべすべした平べったい石のような感覚に感銘を受けました。

個人的に PC やスマートフォンにとって一番大切なのは余計な distraction (気をそらす要素)がないことだと考えていて,この筐体デザインはかなり理想に近い形です。

4 は残念ながらもう少しエッジが立っていますが,手に取ったときの感覚はほとんど変わりません。樹脂製のアンテナラインも入ってしまっていますが,極力目立たないようにはしてあります。

過去に使っていたより小型な Xperia Z3 Compact や iPhone 5s と比べても素晴らしい握り心地で,sense2 の次の歴代 2 位です。これでもう少し小さく軽ければと思わずにはいられません……

液晶モデル

最近の機種は有機 EL(OLED)が標準的となっていますが,これは個人的にはあまり好きでありません。

たしかにパッと見では目立ちますが,実用に耐える色味に調整すると色かぶりが避けられませんし,快晴の屋外では輝度が足りません。もちろん,寿命の問題もあります。

まあ,かつての PC のグレア液晶ブームのようなものなのでしょう。本命 microLED の実用化も進みつつあり,有機 EL ブームもせいぜいあと2・3年でしょうから,それまでは既存の液晶モデルで対応したいところです。

4G モデル

既に新機種は 5G 対応が一般的ですが,現在のところ 5G 対応の SoC は完成度が低く,発熱・消費電力がかなり激しいようです。

sense4 の次の機種である Aquos sense5G は,4G の基本設計のまま 5G の SoC を詰め込んでしまったためか,発熱や故障,電波感度の低さで悪名高い機種となってしまっています。

スマートフォンという応用で 5G が 4G に対して優れている点というのは,実のところそれほど多くはありません。ドコモ回線では 3G の停波でさえ 2026 年の予定で,5G 対応を急ぐ理由もありません。

次の2・3年で技術的成熟は劇的に進むでしょうが,それまではあえて 4G モデルを選んだほうが快適でしょう。

Android 12

シャープは Android OS のアップデートに積極的なベンダで,Aquos sense シリーズはミドルレンジながら 2 回のメジャーアップデートが提供されるのが通例のようです。

このため,年式≒白ロム相場の割にバージョンの高い OS を利用できます。

ベースモデルである Aquos sense4 の発売時バージョンは 10 で,既に 12 が提供されています。Android はウェブ周りが分離された設計ですから,Android 12 ならしばらくは使えそうです。

USB Type-C 採用

Aquos sense シリーズは初代から Type-C 対応で,microB に比べて扱いやすくなっています。

ホームボタン・ジェスチャ入力デバイスにもなる指紋センサ

筐体の裏や横にあるタイプと比べて指紋センサとしては使いにくい位置にありますが,多機能に使えて意外と便利です。特に,全画面表示から直接終了等の操作に移れるのがよいです。

ただ,sense2 と比べると,センサが小さく,ベゼルも狭くなってしまったので,使い勝手は落ちています。

無印(lite がつかないモデル)との差はわずか

名前に lite とはついていますが,廉価版というよりは楽天専売モデルで(型番も無印の SH-M15 に対して SH-"R"M15),無印との棲み分けはあまり考慮されていません。違いは,超広角カメラの有無と,物理 SIM への対応が1枚か2枚かだけです。楽天モバイルは SIM ロック解除手続きなしで SIM ロックフリーなので,lite は確認せずとも必ず SIM ロックフリーであるというメリットもあります。

なお NVMO 向けに basic というのもありますが,これは結構目立つ機能差があるので避けたほうが無難です。

自分の場合カメラが複数あっても使うのはメインのひとつだけですし,eMMC はウェアレベリングを考慮して容量の半分くらいまでで使いたい宗派なので,microSD と排他の SIM スロットはまず使いません。lite だけ eSIM 対応なので,海外で一時的に必要になるようなケースでは lite のほうがかえって便利かもしれません。結局のところ,自分の使い方では無印との違いは何もありません。

シャープ製

今どきの若えもんにはわからないかもしれませんが,特定の世代にとってシャープ製の端末には特別な意味があります。

Android も iOS もなかった頃,シャープ製携帯電話は京セラと並んで多機能化のフロントランナーでした。携帯電話にはじめてカメラを搭載させたのもシャープです。PDA・初期スマートフォンでも,Linux Zaurus,W-Zero3,EM-ONE,NetWalker と,驚くほど自由度の高い名機を続々と輩出してきました。

Android になった途端にノウハウも伝統も断絶し,往時の輝きは完全に失われてしまいましたが,Linux Zaurus と NetWalker で Linux 使いになったクチなので,今なおシャープ製の端末はなんとなーく好きです。

Aquos sense4 lite の残念な点

まだ大きく重すぎる

現在市場にある中では際立ってコンパクトで軽量な機種ですが,まだ一回り大きすぎる感じがあります。

ノッチとかカメラの出っ張りとか

これはこの機種だけでもないですし,もう言っても仕方ないことなのかもしれませんが……

邪魔なノッチのある機種です。設定で黒く埋めてノッチを隠すこともできますが,フレームとの色の違いやフィルムの切り欠きがあるので,ノッチの存在感は隠しきれていません。

カメラも出っ張ってます。素直にベゼルを広げるか筐体を厚くするかすればこんな不格好なことにはならないと思うんですが。

カメラの性能

実のところ Aquos sense4 (lite) のカメラは巷で言われているほど悪いとは思いません。センササイズなりの素直な写りで,まあまあ好印象です。

他の今どきの機種は同じセンササイズでもパリッとした画像を得ることができますが,これはむしろ,写真を元にした CG に近いものです(コンピュテーショナルフォトグラフィー)。スマートフォンの小さな画面では一見綺麗に見えても,PC 画面や印刷物でじっくりと見ると,不自然さに起因する不気味さが拭えません。

また,手軽に JPG 取って出しで運用する場合,バリバリに加工された写真はそれ以上のポストプロセスが難しく,今後の可能性が失われることにもなります。

……とはいえ,AF の遅さ・不安定さや AWB の転びやすさには擁護の余地はありません。

標準カメラアプリの使い勝手はひどいですし,シャッターボタンに使える位置にボタンもありません(もっともこれは縦位置での握り心地を重視した設計として理解できます)。

まあ,私はスマートフォンのカメラはメモ用にしか使わないのでそれほど気にはなりませんが,一応ミドルレンジの位置づけならもうちょっとなんとかならないかなあとは思います。

なお余談ながら,検索してみると OS アップデート後のカメラのシャッター音について四苦八苦している方が多いようですが,Android 12 でも Camera2 API を利用できるアプリ(Open Camera や ProCam X など)であれば,Camera2 API に切り替えれば,起動を認識してミュートにするアプリを入れるまでもなく各カメラアプリの設定からシャッター音を消すことができました。そこそこスペックがあるおかげで,サードパーティアプリでも一瞬で起動しますし,画面ロックのままでの起動もできるので,普通に使えます。お試しあれ。

あとで追記するかもしれないし,しないかもしれない。

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