GEdit はいいぞ

過小評価されている GEdit の実力

Gnome の標準エディタであるということもあり,GEdit は過小評価され続けているエディタである。実際には,他のデスクトップ環境や他の OS でも使いたくなる,非常に優れたエディタである。本稿ではなぜ私が GEdit を使うかをメモする。

GEdit の長所

簡潔な UI/UX

GEdit は Gnome プロジェクトの設計思想に基づき,非常に簡潔な UI となっている。Gnome の設計思想はしばしば批判の対象となるものであり,私自身 Gnome はあまり好みでないが,エディタというソフトウェアの特性においては,うまく機能している。

ごちゃごちゃしていない UI のおかげで,書いている文章やコードとまっすぐ向き合うことができる。

これ自体は決定的な理由ではないが,伯仲している多くのエディタの中で GEdit を特別なものたらしめているのは,この点である。

多機能

GEdit は非常に多機能であり,しかもいずれの機能も標準状態で・GUI でアクセスできる(なお他にこの方向性で成功している Gnome プロジェクトのソフトウェアとして,Gnome-disks がある)。

文字化けに遭遇することは少なく,その場合もプルダウンリストから選択するだけで適切な文字コードに切り替えられる。シンタックスハイライティングや正規表現による置換はもちろん,文字数カウント,コードスニペットといった機能もしっかり備えている。他のエディタでは意外と欠けていることが多いものである。

重要なのは,多くの機能・設定項目がコンテキストに沿って適切に配置されていることで,視覚的に煩雑となっていないことである。他のエディタにも機能面では引けを取らないものは多くあるが,この点で違いが生まれている。

高い拡張性

GEdit はプラグインによる拡張に対応している。これによって,追加したい機能がある場合に,ソフトウェア自体のコードベースに手を加えるのではなくプラグインを書くことによって対応することができるようになっている。安易にフォークするとその後のアップデートへの追従が面倒になることを考えれば,これは重要な点である。

もっとも,幸か不幸か,現在に至るまで GEdit にさらなる機能を追加したいと感じたことはない。

導入しやすさ

GEdit は Gnome の標準エディタであり,ほとんどのディストリビューションではレポジトリに収録されている。これによって,展開やアップデートといった管理に手間がかからず,セキュリティリスクも最低限に保たれている。

他のソフトと使い分けよう

とはいえ,GEdit はあくまでもテキストエディタであり,IDE やワードプロセッサの代替にはならない。また,たとえば Vim と比べると,エディタとしてはかなり大掛かりなものには違いない。

設定ファイルをさくっと編集するには Vim/Emacs/Nano といった TUI エディタを使い,TeX/HTML/CSS やシェルスクリプト以外のコーディングには Geany か本格的な IDE を使うなど,複数のエディタを使い分けることで快適に利用することができる。

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